鍵の基礎知識
鍵と錠、一見どちらも同じ鍵をさすもののようですが、厳密にいうと鍵と錠は別々の物です。
扉が開かない用に固定する棒・板の事を閂(かんぬき)と言い、錠は閂を操作する機構部分・金具の事を言います。一方の鍵はと言うと、その錠を開けるための道具ということになります。英語にすると、錠はLOCK(ロック)・鍵はKEY(キー)となり、扉を開けないようにする為にはロックする・つまり錠をかけるという事になるのです。ですが世間一般では「錠をかける」とは言わずに、「鍵をかける」と言います。本来では錠が無ければ扉を固定する事が出来ません。ではなぜ鍵をかけると言うようになったのでしょうか。
その理由には諸説あり、江戸時代の頃の一般庶民の間では錠を必要とする財産が無く、戸締りをする際は主に扉を支える棒を閂として使用していました。閂は掛けるものであったため、鍵をかけるはここから生まれたという説があります。また錠をかけるという言葉も古くからあったものですが、時代と共に錠部分は扉の中に埋め込まれる形が普通となり、直接持つ鍵のほうが我々には身近なものとなり、鍵をかけるという言葉が定着していったと思われます。
また鍵は戸締りの意味を持つだけでなく、シンボル・象徴としても古くから浸透しています。鍵の意味は、秘密・制御・力や支配・信頼・慎重・権威などの意味もあり、問題の解決点となる個所をキーポイントとも言いますね。このように鍵は我々にとって重要なものであるということがわかります。